こんばんは。
2018年も残すところあと3日です。
今回は、今年1年の音楽やライブを振り返ってトリガースタッフが選出した年間ベストレビューをお送りします。それでは今年最後のTRIGGER MAGAZINE、お付き合いください。
1. カネコアヤノ『祝祭』
4/25 release
健やかなる時も病める時も、ほんとうにずっと聴いていました。
< 大切なのは明るい明日だ > と歌う、力強く高らかな歌声に何度も救われました。今日めちゃくちゃ天気良いとか、すきな人たちに会えるとか、何でもない日常がこの上なく愛おしく、まさに「祝祭」なのだと思えるアルバムです。
2. さよならポエジー 『遅くなる帰還』
5/2 release
約2年のインターバルを経てリリースされた『遅くなる帰還』。彼らの難しい言い回しとか韻の踏み方とか絶妙によくって、エモみを帯びた柔らかさだったり時にひりつくような粗々しさだったり、沢山のサウンドをきかせてくれます。「二月の中を / February」を聴いて、もう2月はとっくに終わってるのに...と思いながらも私は静かに泣き 気がつけば何度も再生していました。〈 誰にも頷かなくていい 〉言葉には本当に力があるなと感じました。こういう音楽が人の心に刺さる世の中であって欲しいと切に思います。
この作品のある冬を迎えられた事が嬉しいので早く2月になってポエジー聴きながら夜の散歩をしたい!
3.Communions 『Hymn』
5/18 digital release
デンマーク・コペンハーゲンの4人組バンド Communions(コミュニオンズ)。昨年はサマソニにも出演。マーティンのあの独特な歌声を初めて聴いたとき、一瞬で聴き惚れてしまいました。
今年リリースされた同郷のバンド Ice Ageの『Beyondless』ももうたまらんよかったのですがコミュニオンズも負けておりません!静かな展開でもありながらも吸い込まれるようなギターの音、時に不気味さを感じるリズム、うねり、音の組み合わせがとにかく最高。。好きなところを挙げたらキリがないので是非一聴してみてください。
4. The Internet『Hive Mind』
7/20 release
LAで結成された、メロウ・ソウル・バンドThe Internetからリリースされた4作目のアルバム『Hive Mind』。暑くて寝苦しい夜にめちゃめちゃ聴いた、激グルーヴィーでダンサブルなアルバム。
まだ熱のある夜中に家から抜け出してゆらゆらふらふらと夜の街を歩きたくなります。
5. 揺らぎ『Still Dreaming, Still Deafening』
8/8 release
滋賀初4人組バンド 揺らぎ からリリースされた、私自身めちゃめちゃ心待ちにしていた初の全国流通盤となるE.P. どれだけこのEPに心を洗われたことか。。
そして私が揺らぎを好きになったのは、ちょうど揺らぎが東京のライブをお休みし始める時期と重なり、ずっとライブを見に行けずで初めてライブを拝見したのも今年の春でした。
それは代々木公園のフリーライブで、リハーサルの段階から静かで美しい、そして圧倒的な強さを持った音が緑の中で空気を揺らしていて、風や観ている人たちの空気を全部モノにして見えない力でさらっていくようで、一瞬にして心を奪われたのをよく覚えています。
EPの話に戻りますが、揺らぎを好きになったきっかけでもある「bedside」がalbum ver.でまた違ったスケール感で収録されているのもとっても嬉しいです。最初のハウリングから一気に落ちる所がたまらないですよね。 わたしは冬の日に射す光が大好きで、時間と同時にゆっくりと光と陰の範囲を変えていく陽の光と、それに照らされた建物たちが綺麗に見えるあの感じが本当に好きなんですが、揺らぎの楽曲はそういう感じがするんです。窓から真っ直ぐに入ってくる、白くて強い光のようで、静かに大きな力で包み込んでくれるかのような。
長い時間の楽曲も、有意義で強弱のある構成や、美しい浮遊感の中で精密に重ねられたアンサンブルに気づけば時間を忘れるほど、その世界に自然と身を委ねてしまうのです。
シューゲイザーファンだけでなく、多くの人の心を掴んでいる揺らぎ。 この機会に是非、揺らぎの音楽のダイナミズムに溺れてみてください🌛
6. CRYAMY『CRYAMY #2』
8/14 release
4ピースバンドCRYAMYの自主制作版1st EP。個人的に人間臭いバンドを好んでよく聴くのですが、このアルバムの一曲目を聴いた瞬間に痺れました。重くて力強いサウンドに唸るようなギターと心地よいメロディーが最高にかっこいいんです。爆音で聴きたくなります。毎日の生活での嫌なこととか、どうにもならない理不尽なものとかに対して代わりに叫んでくれるバンドがCRYAMYな気がします。
〈 簡単なこと言えやしないよ 君の絶望に触れていたいよ 〉 「頑張れ」とか「大丈夫」じゃない愚直な歌詞にグッときますね。音も重いし暗いことを歌ってる印象があるんですが、嘘がなくて愛のあるバンドだと感じられるのが魅力なんじゃないかと思います。ぜひCRYAMYを聴いて2018年を終えてください!
7. ELLEGARDEN『THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018』
8/15 @ZOZOマリンスタジアム
2008年に活動を休止したELLEGARDENが行った約10年ぶりのツアー。一次先行でチケットが取れず悔しかったのですが、「エルレのチケットが外れた」という言葉を口に出来ただけでとても嬉しかったです。二次選考で無事チケットが取れ、ライブに行くことが出来ました。
約束のSupernovaから始まるライブ。「ただいま」という細美さんの声に泣き崩れるファン。スタジアムの外から聞こえる音漏れを聴きに来たファンの歓声。今までイヤホンを通してしか聴けなかった大好きなエルレの曲が目の前で鳴っていて、鳥肌が立ちっぱなしで腰が抜けそうでした。音源で何回も聴いてきた大好きな曲達が始まる度に夢なのではないかと思いました。
自分がELLEGARDENのライブに行ける日が来るなんて...生きていればこんな日が来るのだな、と。4ヶ月経った今でも夢だったんじゃないかと思ってしまいます。
8. Snai Mail 『WWW × WWW X Anniversaries ''SNAIL MAIL''』
10/6 @Shibuya WWW X
TRIGGER DISC REVIEW vol.4でもご紹介したSnail Mailの来日公演。
当日、ソールド公演だった会場はもうパンパン。チケットを取ってからずっと楽しみにしていた日がとうとうきてしまったんだなと少し寂しい気持ちと何故か緊張と...よくわからない感情でした。ステージ一点にライトが灯されると、赤ジャガーがよく似合うリンジーとバンドメンバーら登場。それからの時間は本当にあっという間でした。
18歳という多感な時期にリリースされた''LUSH''。2018年を振り返ってみてやっぱり今年1出会えてよかったアルバムです。ブレずにありのままを等身大で歌い続ける彼女の姿に感銘を受けました。そんな''今''を歌い届けるSnail Mailに心地よさを求め 音に浸り、時には目の淵に涙を浮かべながらこの日はライブを観ました。
「Heart Wave」の滑らかなアルペジオ、サビあとのギターソロ、キュッと弦をひっかくフィンガーノイズ。この曲にはとにかく好きが詰まっていて、そんな大好きな曲を生で聴けた事が本当に嬉しくって一つ一つ噛みしめるように聴いた。本編ラスト、日本版のボーナストラックに収録されているカヴァー Courtney Loveの『Secound Most Beautiful Girl In The World』(余談ですがこの曲は11/24のトリガーフェス銭湯編の会場でも流しました。) も大好きで、1人で美しく歌い上げる姿にただただ圧倒されました。ライブは音源よりもかなりゆったりとした歌い方でしたが、歌声の伸びやかさや彩り豊かなギター音で会場全体が優しく包み込まれていくような素晴らしい夜でした。あとはリンジーが可愛かった!笑
まだ聴いてない方、是非今年が終わる前に聴いてみてください🌹
9. odol『往来するもの』
10/24 release
odolから2年半ぶりにリリースされたアルバム『往来するもの』。情報が解禁されてアルバムと楽曲の秀悦なタイトルたちを見て、絶対最高なアルバムだとリリースを楽しみにしていました。聴いてみると予想を遥かに超えた素晴らしいアルバムで、odolの作品の中でも最高傑作と呼べる作品だと思います。
わたし自身「憧れ」が好きすぎて何度聴いたことか…アルバム後半の楽曲が特に大好きです。
特徴的なメロディーや6人の技量と個性が生きた極み抜かれたアレンジ、voミゾベさんの曲をまとめあげる安定したボーカルや繊細な歌詞も本当にいいのです。
ジャンルがバラバラながらも全て素敵な楽曲たちなのですが、1stや2nd アルバムと比べて非ロックを迷いなくやっているように感じました。芸術の中の音楽をしっかりと6人の個性を通しながら確立していて、アートと音楽の境界線がないことが体現されているようでした。
空の色が青からオレンジにじんわりと変わっていくような、そんな温度感があるなと思いました。聴いていると、静かにゆっくりと心地よい熱が伝わってくるのです。
聴かないともったいないというのは個人的に違うと思っているのですが、でも、絶対に多くの人に聴いてほしい一枚です!是非!
10. Joji 『BALLADS 1』
10/26 release
アメリカ合衆国を拠点に活動する大阪出身の日系オーストラリア人SSW、ラップシンガー、そして元YouTuberのGeorge MillerがJoji名義でリリースしたファーストアルバムです。
もともと5月に公開されていた『YEAH RIGHT』のPVが好きで、それからよくこの曲は聞いていたのですが、アーティストについては全く気にしていませんでした。ですが今回のアルバムが発売されたタイミングで調べてみて、、びっくり!harlem shakeのPink Guyじゃないですか!!(ピンとこない人は検索してみてください絶対に1度は見たことがあると思います。)
Youtuber時代の彼はとても過激でぶっ飛んでいるイメージでした。しかし、今回のアルバム『BALLADS 1』はその彼からは全く想像がつかないほどに憂いを帯びたエモーショナルな一面が垣間見えるアルバムです。
シリアスな曲調からYoutuber時代のグラスを壁に打ち付けて割ったり、他人がピクニックしているところに突っ込んでいったりしていた彼は全く感じられませんが、アルバムのアートワークでいたずらな笑みを浮かべる姿はPino GuyやFilthy Frank時代の彼を彷彿とさせます。
個人的に洋楽は口ずさみやすいキャッチーなメロディーが繰り返されるPOPばかり聞きがちなのですが、このアルバムに関しては普段好んで聞くジャンルではないのにハマってヘビーローテーションしています!根拠はゼロですが、Joji自身日系オーストラリア人で18歳まで日本に住んでいたこともあり、邦楽になんらかの影響を受けているのかもしれませんね!知りませんけど!笑 ですので、普段洋楽はヒットチャートやEDMしか聞かない方や、邦楽しか聞かない方にもとても聞きやすい一枚だと思います。ぜひ!
今年も本当にたくさんの音楽に溢れた1年となりました。
あなたの2018ベストもありましたか?
最後になりますが、
今年もTRIGGER FES 実行委員会に携わって下さった全ての方に心より感謝申し上げます。
2019年のTRIGGER FES 実行委員会をどうぞよろしくお願い致します!
TRIGGER MAGAZINEも!
それでは、皆さま良いお年をお迎えください🎍